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角田光代さんの職人的な上手さを感じさせる「空中庭園」という小説

最近の女性の小説家の中では、角田光代さんが特に活躍しています。そして個人的には、「空中庭園」という小説に大きな魅力を感じます。

角田光代さんの代表作は他に色々あるはずですが、なぜかこれなのです。

これからその「空中庭園」についての感想や魅力などを話していきます。

「空中庭園」とはどんな小説でどんなあらすじか?

「空中庭園」は角田光代さんが2002年に発表した小説です。短編小説となっているようですが、かなり中身が濃い内容なので、短編とは捉えない方がいいかもしれません。話は団地に住んでいて一見普通に見える5人家族と、家庭教師の女性を中心に進んでいきます。

この話は6個の短編というか、章のようなものが用意されており、6個の短編でそれぞれ主人公が変わります。何かややこしい気がしますが、難しく考えず普通の本のように、最初から順番に話を読んでいきましょう。6個の短編はそれぞれ話が繋がっています。

最初は女子高生の長女の話から始まります。そこで強調されるのは、彼女の家族は隠し事がないかなりオープンな家庭であることです。長女の話はこの小説の序章になるような内容になっています。そして、長女の話のあとは、彼女の父親の話になります。

ところが父親の話になるといきなり、長女の話にあった、隠し事がないオープンな家庭ということが、ひっくり返ります。長女の話は少し退屈な部分もあるのですが、父親の話以降は、話が急展開していきます。

そしてこの先の展開や結末が、どうなるのか気になるというのが、「空中庭園」の小説の特徴になるでしょう。

「空中庭園」と角田光代さんの上手さについて

角田光代さんの小説を初めて読んだのは、「空中庭園」以外の作品だったのですが、この人の小説を読んで感じたことは、「上手いな」ということです。普通は小説を読むと、面白いという感想が出てくるのですが、角田光代さんに関しては上手さを感じました。

そして「空中庭園」を読んでみると、上手いという感想は確信に変わりました。まず、主人公を6人も入れ替えながら話を進めていくことは、並みの力量の作家ではできないことだと思います。そして、やり方としては、かなり実験的な小説になると思いますが、見事に上手く結末まで持っていっています。

作品の質としては、芥川賞か直木賞を獲得するぐらいのものに感じましたが、婦人公論文芸賞を獲得しただけで終わっています。なぜなのかちょっと理解に苦しみます。とりあえず、最後の巻末解説は石田衣良さんが担当していますので、そちらを読んでみるといいでしょう。

「空中庭園」が、芥川賞や直木賞を獲得しなかった裏話のようなことが書かれています。

「空中庭園」は角田光代さんの代表作なのか?

角田光代さんには、いくつかの代表作があります。その中には、「対岸の彼女」という直木賞を受賞したものもありますので、角田光代さんの小説を初めて読むのであれば、そちらがおすすめかもしれません。

そして、代表作を読んで角田光代さんに興味が湧いたのであれば、「空中庭園」を読むことをおすすめしたいです。個人的には「空中庭園」が代表作だと思います。しかし「空中庭園」には、少しとっつきにく部分があるのも事実です。

世間での知名度が高い作品から読んで、「空中庭園」を読むのが良い順番だと思います。

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