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読めば歴史が面白くなる!戦国時代の海賊を描いた作品「村上海賊の娘」

戦国時代を描いた作品と聞くと、織田信長や豊臣秀吉といった大名が主人公となる作品が思い当たりますが、当時の織田信長でさえ簡単に手が出せないほど恐れられていた海賊がいたことはあまり知られていません。

「村上海賊の娘」はそんな海賊家に生まれた娘を描いた作品です。

主人公は破天荒で屈強な海賊家の娘

小説家・和田竜による作品「村上海賊の娘」の主人公となるのは戦国の世で最強とうたわれた海賊「村上水軍」当主・村上武吉の娘、「景」です。

景は女性ながら相当な怪力の持ち主で豪胆な性格と海賊の残忍さを併せ持った人物として描かれています。

また海賊家という家柄でありながら嫁の貰い手もいないほどの気の強さと容姿の醜さを兼ね備えており、偶然にも助けた一向宗の門徒たちから大坂では景の顔を好いている者たちがいることを聞きつけ、信長に攻められようとしていた大坂本願寺へ加勢に行こうとしていた門徒たちを大坂まで送り届けることを了承してしまいます。

信長に対して中立の立場をとっている村上武吉率いる野島村上家でしたが、景は意図せずに信長軍と一向宗門徒による大坂本願寺の戦いに巻き込まれていくことになります。

作者による精緻な歴史考証

「村上海賊の娘」を語るうえで欠かせないのが作者・和田竜による精緻な歴史考証です。

作中には解説とも言える作者の言葉や参考にした文献の数々が登場し、当時の歴史情報を補完しています。

分かりやすく丁寧に解説されているため、戦国時代に詳しくない人でも楽しめる作りになっています。

戦国時代に活動していた水軍自体が、なかなか表舞台に出てこなかった存在ということもあり、そのような人々の知られざる歴史を知ることができるという意味では単なるフィクションという以上に価値のある作品ともいえます。

史実とフィクションが上手く融合したことでドラマ性を損なうことなく最強の海賊家の娘による上質な冒険譚へと昇華しているのです。

臨場感のある戦描写と個性豊かな登場人物

小説「村上海賊の娘」に登場するのは男勝りな女海賊・景だけではなく、戦国時代を生き抜いた武将や海賊などさまざまな登場人物が出てきます。

20歳の景をはじめ比較的若い人間が主要人物として登場しますが、戦国時代を生きる若者も現代の若者と同じように悩み、また現代以上に命を燃やして生きていたことがさまざまなエピソードや戦を通して描かれています。

戦の描写に関しても戦い方やそれぞれの武将が使用していた武器、陣営同士の位置関係などが細かく描写され、およそ500年前のことにもかかわらず圧倒的な臨場感をもって物語を楽しむことができます。

上下巻にわたる長編小説ですが、読むほどに面白さが増していくため全く長さを感じさせない歴史小説でもあります。

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